
ウルトラセブン最終回の概要

度重なる怪獣達との戦いにより、モロボシ・ダンの身体は限界に達していた。
脈拍360、血圧400、熱が90度近くある状態では精密検査を受ければ自分が人間でない事がわかってしまう。
基地から消えたダンは少年の部屋に隠れるが、
少年から連絡を受けたアンヌ隊員がダンを迎えに来る。

『アキオ君って子供が電話で教えてくれたの。ダンがここにいるって。』
『なぜ逃げたりなんかしたの? ねえ、答えて』
最後の戦いに挑むモロボシ・ダンが、アンヌ隊員に自らがウルトラセブンであることを告げる印象的なシーンだ。
このシーンから流れ始めるのが、ディヌ・リパッティのピアノ、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団による、シューマンのピアノ協奏曲である。

『アンヌ、僕は……僕はね……人間じゃないんだよ!』
『M78星雲から来た、ウルトラセブンなんだ!』

この瞬間世界が変わり、映像が2人のシルエットになると同時に、シューマンのピアノ協奏曲第1楽章の冒頭部分が衝撃的に鳴り響く・・・
『びっくりしただろう?』
『ううん…人間であろうと、宇宙人であろうと、ダンはダンに変わりないじゃないの。たとえウルトラセブンでも』
『ありがとう、アンヌ!』
そして、ダンはアンヌに別れを告げる。

『さよならアンヌ!』
『待って、行かないで!』

ダンはすがるアンヌを振り切り、アンヌの目の前でウルトラセブンに変身する!
ダン=ウルトラセブンとの永遠の別れの瞬間が、とうとう来てしまった・・・
しかし、フラフラの身体では、パンドンの攻撃に一方的にやられ放題のセブン。
渾身で放ったアイスラッガーもキャッチされてしまい、逆に優勢になったパンドンにジリジリと迫られる。

しかし最悪の劣勢状況の中で、パンドンが放ったアイスラッガーを居合い切りのごとく返し、首を切断し勝利を納める。

壮絶な戦いの勝利を収め、満身創痍の身体で立ち上がるセブン。
同時にシューマンのピアノ協奏曲第1楽章も、嵐のようなフィナーレを迎える。
シューマンのフィナーレとともにセブンが飛び立ち、M78星雲に帰って行く。
これが本当に最後の瞬間だ・・・
リパッティの人物像

セブンファンなら周知のとおり。不治の病、リンパ肉芽腫症のため33歳で夭逝した天才リパッティ。
そして鬼気迫るこの演奏は、それでなくても名演である。
ブザンソン音楽祭における最後のリサイタルでは、彼は医師の中止勧告を振り切り出演した。
そして『僕は約束した。僕は弾かねばならない』と繰り返し、ピアノに向った。
ホールから楽屋までの階段を一段一段、息を切らしながら上がったその光景を、のちに妻が『まるでゴルゴダの丘に向かうイエス・キリストのようだった』と回想したほど体調は悪化していた。
そしてショパンのワルツを演奏している途中で体調が悪くなり、いったん控え室に戻って注射をしてもらってステージに戻ったというエピソードも伝えられている。
しかし14曲あるショパンのワルツの最後の一曲が演奏されることはなかった。彼の肉体は、ついに力尽きてしまった。
そしてその2ヶ月後、わずか33年の短い生涯を閉じる。
リパッティとモロボシダン。2人の共通する高潔で頑強な精神力が、ウルトラセブンの最終回をより高い水準に作り上げていると言えるでしょう。
リパッティ生誕100年、そしてウルトラセブン放送50年を記念してリマスター録音!
☆ウルトラセブン最終回放送に使われたリパッティのシューマンがDSD11.2MHzマスタリングで鮮やかに甦る!
シューマン&グリーグ:ピアノ協奏曲(2018 DSD 11.2 MHzマスターによる)ウルトラセブン50th&リパッティ100th
